テニス肘はテニスをしている方がなるわけではない!?

2025年07月13日

〜競技特性と予防のポイント〜

「テニス肘」と聞くと、テニスプレーヤーだけがなるものと思われがちですが、実際にはテニスをしていない人にもよく起こる疾患です。正式名称は「上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)」といいます。

この痛みは、肘の外側にある筋肉の付着部に炎症が起きることで発生します。特に手首や指を頻繁に使う動作を繰り返す人に多く、実際には以下のような方にもよく見られます。


◆ テニス以外にも多い!発症しやすい動作・職業

  • パソコン作業が多いデスクワークの方
  • 包丁やフライパンをよく使う調理師・主婦
  • 重いものを持ち上げる建設・製造業の方
  • 抱っこや家事で腕を酷使する子育て中の方
  • ゴルフやバドミントン、卓球など他のラケット競技をされる方

つまり、「前腕(ひじから手首まで)」に繰り返し負担がかかる人は、誰でも発症のリスクがあるのです。


◆ テニス肘と競技特性の関係

テニスでは特にバックハンドの動作で、肘の外側に強い負荷がかかるため発症しやすく、「テニス肘」と呼ばれるようになりました。

しかし、スポーツ以外でも、同じ筋肉(短橈側手根伸筋など)を酷使する場面が多いため、競技をしていなくても発症するケースが多いのが実情です。


◆ 予防のポイント

◎ 1. 使いすぎを避ける

痛みが出てきたら、無理をせず使う量を減らすことが最優先です。

◎ 2. ストレッチとセルフケア

前腕のストレッチや軽いマッサージで筋肉を柔らかく保ちましょう。使った後にアイシングするのも有効です。

◎ 3. 姿勢・フォームの見直し

道具の持ち方や作業姿勢、スポーツのフォームを見直すことで、負担のかかり方が変わり予防につながります。

◎ 4. 筋力バランスの改善

肘だけでなく、肩・手首・体幹など周囲の筋力をバランスよく整えることで、再発リスクを減らせます。


◆ まとめ

「テニス肘=テニスだけの障害」ではありません。日常生活や仕事、他のスポーツでも十分起こりうるトラブルです。肘の外側に違和感を感じたら、放置せずに早めのケアを心がけましょう。

当院では、テニス肘の原因を見極め、一人ひとりに合わせた施術やセルフケア指導を行っています。気になる症状があれば、お気軽にご相談ください!

執筆者:柔道整復師
いのラボ接骨院グループ 代表
猪股真澄(治療家歴18年)

いのラボ接骨院グループ 代表 猪股真澄

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