【再発防止】ヘルニアを繰り返さないための正しい姿勢と体の使い方

2025年11月28日

椎間板ヘルニアは、一度症状が落ち着いても再発しやすい疾患の一つです。
原因の多くは「日常生活での姿勢や体の使い方」にあります。
せっかく痛みが治まっても、姿勢が悪かったり、腰に負担をかける動作を繰り返していると、再び椎間板に強い圧力がかかり、再発のリスクが高まります。
ここでは、ヘルニアを繰り返さないために意識したい正しい姿勢と体の使い方を紹介します。


🔹1. 正しい立ち姿勢を意識する

立っているときは、耳・肩・くるぶしが一直線になるように意識しましょう。
背中が丸まる「猫背」や、反り腰のまま立つと腰椎への負担が大きくなります。
頭の位置が前に出ると、それだけで腰の筋肉に余計な力が入るため、あごを軽く引いて姿勢を整えることが大切です。
また、長時間立ちっぱなしの場合は、片足を少し台に乗せることで腰の負担を分散できます。


🔹2. 座り姿勢は「骨盤を立てる」

デスクワーク中は、椎間板への圧力が最も高くなるといわれています。
背もたれに頼ってだらっと座ると、骨盤が後ろに倒れて腰が丸まり、ヘルニアを再発させる原因に。
座るときは、骨盤を立てて背筋をまっすぐに保つのが基本です。
椅子の奥までしっかり座り、背もたれと腰の間にクッションを入れると自然に良い姿勢を保てます。
また、30〜40分に一度は立ち上がって軽く体を動かす習慣をつけましょう。


🔹3. 物を持つときは「しゃがんでから持ち上げる」

腰をかがめて重い物を持ち上げる動作は、椎間板に最も負担をかけるNG姿勢です。
持ち上げるときは、膝を曲げてしゃがみ、腰をまっすぐに保ったまま立ち上がるようにしましょう。
荷物は体から離さず、なるべく体の近くで持つのがポイント。
腰だけでなく、太ももやお尻の筋肉を使うイメージを持つと安全です。


🔹4. 寝姿勢も再発予防のカギ

睡眠中の姿勢も腰への負担に影響します。
仰向けで寝るときは膝の下にクッションを入れて腰の反りを軽減し、横向きの場合は膝の間に枕を挟むと腰がねじれにくくなります。
柔らかすぎるマットレスは体が沈み込み、腰に負担をかけるので、やや硬めの寝具を選びましょう。


🔹5. 体幹を鍛えて「支える力」をつける

正しい姿勢を保つためには、腰回りを支える体幹(腹筋・背筋・骨盤まわり)の筋力が欠かせません。
特に、腹横筋や多裂筋などの「インナーマッスル」を鍛えると、腰を安定させて再発防止に効果的です。
無理のない範囲で、プランク・ドローイン・軽いストレッチなどを毎日継続しましょう。


💡まとめ

椎間板ヘルニアの再発を防ぐには、痛みが取れた後の「姿勢」と「体の使い方」が何より重要です。
正しい姿勢を意識し、腰に負担をかけない動作を習慣にすることで、再発のリスクを大幅に減らすことができます。
日常の中で少しずつ意識を変え、“腰にやさしい体の使い方”を身につけることが、再発防止の最良のケアです。

執筆者:柔道整復師
いのラボ接骨院グループ 代表
猪股真澄(治療家歴18年)

いのラボ接骨院グループ 代表 猪股真澄

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