産後のメンタルヘルス

2024年10月11日

こんにちは!今回は産後のメンタルヘルスについてのお話になります。いのラボグループでは産後の骨盤ケアを行なっておりますがメンタル部分でのケアの重要性についてお話させていただきます。

「マタニティーブルー」や「産後うつ」を発症する女性の割合は、10~15%と言われています(公益財団法人 日本産婦人科医会調べ)。最悪の場合、自殺に至るケースも報告されています。なぜこのような精神状態にまで追い込まれてしまうのでしょうか。「産後の骨盤ケア」を売りにしている接骨院は数多くありますが、「産後のメンタルヘルスケア」まで提供する施術所は決して多くありません。産後の女性をサポートしたいのであれば、心のケアが必要不可欠です。

妊娠・出産後の女性のメンタル

妊娠、出産を経て、赤ちゃんが誕生し嬉しいはずが、なぜか気分が落ち込んだり、漠然とした不安が押し寄せたり、情緒不安定に陥ることがあります。この現象を「マタニティーブルー」と呼びます。マタニティーブルーは一過性であることが多く、約1~2週間ほど続いたあと徐々に治っていくことがほとんどです。

主な原因としては以下が挙げられます。

・ホルモンバランスの急激な変化
・出産や育児への不安
・働き方や生活の変化
・子どもに付きっ切りで自分の時間が持てない
・毎日寝不足で心身ともに疲弊している
・周囲が妊娠や育児に無関心、または過干渉
など

心身に大きな影響を与えるホルモンバランスの急激な変化

妊娠中や産後は、ホルモンバランスが大きく乱れます。妊娠期には、出産に向けエストロゲン、プロゲステロンといった女性ホルモンが大量に分泌されます。産後にそれらが激減することで自律神経が乱れ、心身ともに顕著な変化が現れ始めます。抜け毛が増える、肌がカサカサするといった肉体面の変化と共に、気分が塞ぎ込んだり涙もろくなったりと、精神面でも不安定な状態が続きます。


<女性ホルモンの種類と妊娠・出産における役割>

・エストロゲン(卵胞ホルモン)
卵胞を成熟させる働きをもつホルモン。体温の上昇、栄養や水分を体に蓄えるなど、妊娠に適した身体を作ります。

・プロゲステロン(黄体ホルモン)
受精卵の着床のために子宮内膜を整え、基礎体温を上げる働きがあり、妊娠後は胎児と母体を守るために活躍します。

・プロラクチン(乳腺刺激ホルモン)
プロラクチンの分泌により、母乳が作られます。このタイミングで、エストロゲンとプロゲステロンの分泌が抑えられます。


授乳や夜泣き、おむつ替えなどで寝不足の日々が続き、次第に心身が擦り減っていきます。赤ちゃん中心の生活で自分の時間が全く持てず、「自分に育児が務まるのだろうか」といった計り知れない不安を抱え、自信を喪失する人も少なくありません。

放置すると危険な「産後うつ」

マタニティーブルーと混同されがちですが、より深刻化したものが「産後うつ」です。出産後長期間にわたり気分の落ち込みが続くようであれば、産後うつが疑われます。過去にうつなど心の病を経験したことがある人は、特に産後うつを発症しやすいと言われています。産後うつから自殺に至るケースもあり、放置しておくと大変危険な症状です。

パートナーや家族など、周囲の強固なサポートがあればよいですが、積極的に育児に参加しないパートナーの場合や、親が高齢だったり離れて暮らしていたり、サポートが充分に得られない状況下では、女性が一人で抱え込んでしまいがちです。

周囲がSOSに気付かずにいると、最悪の場合本人の自殺に至ったり、赤ちゃんに被害が及んだりすることもあり得ます。国立成育医療研究センターの発表によると、2年間で92人もの女性が産後1年以内に自殺をしているというデータが出ています。

産後うつに陥りやすいのは一体どのようなタイプなのでしょうか。一概には言えませんが、几帳面で何事にも真面目な人がなりやすい傾向があるとされています。「母親なのだからもっと頑張らなければならない」「他と比べ自分は母親失格だ」「子どもが可愛いと思えない自分はおかしい」など、自分を必要以上に追い込むケースが多く見られます。その思考や症状はうつの兆しだという知識があれば、自らの異変に客観的に気付き、すぐにでも休息をとり周囲に助けを求められたかもしれません。

産後のメンタルを回復させるために

マタニティーブルーや産後うつから回復するための手立てにはどんなものがあるのか、見ていきたいと思います。

・一人で抱え込まない
・自分と同じ気持ちを持つ人がいることを知る
・完璧にこなそうとせず、適度に手抜きをする
・パートナーや家族に育児をお願いし、こまめに休息する
・周囲に頼れる人がいない場合は、公的機関や専門家の助けを得る
などが、女性自身が回復するための手立てとして挙げられます。

<地域の保健センターのほか、その他の相談窓口>

・地域の子育て支援拠点
・児童発達支援センター
・児童相談所
・小児科
・産婦人科
・助産院
など、様々な場所で電話や対面での相談を行っています。決して一人で悩まず、積極的にSOSを発信してまわりを巻き込むことが大切です。

産後のメンタルヘルスをサポートできる接骨院に

こうした女性たちを救うために、施術家にできることは何があるのでしょうか。まずは妊娠、出産で女性たちの心身に起こる変化を理解すること。そして、身体だけではなく心の健康を取り戻すサポートをすることです。

「産後の骨盤ケア」を提供している接骨院は数多くありますが、心のサポートまで行っているところはまだまだ少ないのが現状です。そんな中、年間6,000人以上の産後女性の心身をサポートしている接骨院があります。

東京都にあるトータルケアまえいけグループあさひ整骨院日本橋浜町院。院長を務める今村匡子氏は、自らの妊娠、出産、育児の経験をもとに、独自の産後ケアを提供しています。産後ケアを提供する上で、女性の身体の変化や生活を知ることはもちろん、メンタルを理解することが必要不可欠なのだと今村氏は語ります。産後ケアは、性別、出産経験の有無にかかわらず、施術者誰もが知っておくべき知識です。

まとめ

“骨盤を調整すること”だけが産後ケアではありません。産後の女性たちが駆け込めるような施術所が増えれば、周囲に助けを求められず悩み苦しむ女性を一人でも多く救うことができます。女性たちが自らの異変に気付き、「これは異常事態なのだ」と正しく自覚できるよう、普段から発信しておくことが大切です。

ほとんどの産後女性が、接骨院が自分の役に立つという事実を知りません。接骨院が「心と体の安定を保つためになくてはならない存在」だということを知ってもらうチャンスです。

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休診日:木曜午後、日曜日

執筆者:柔道整復師
いのラボ接骨院グループ 代表
猪股真澄(治療家歴18年)

いのラボ接骨院グループ 代表 猪股真澄

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